できる社員は「やり過ごす」 /高橋伸夫 1996 日経ビジネス文庫

 前から読もうと思って読んでなかったので、読んでみた。内容は難しくないのでさらっと読めた。
 要約。部下は、上司から任された仕事を優先順位を付けながら仕事をこなすため、優先順位の低い仕事は「やり過ごす」ことになる。ここでは「やり過ごす」ということを肯定的な意味で使っている。どうでもいい仕事を「やり過ごす」ことにより、組織として無駄なことを減らす効果があり、また、部下は仕事の優先順位のつけ方を学ぶことになるからである。
 そして、「やり過ごし」の結果として、上司、特に係長クラスが、部下の仕事の「尻ぬぐい」をすることになる。そのため、係長クラスは非常に大変な仕事となる。ここで、係長クラスの仕事のモチベーションはどういうものかを考える。
著者はそのモチベーションこそが「未来傾斜原理」であるとする。